
黒と乱射
2016年3月29日 17:30
だんだん春。のような。そうでもないような。
といった感じでしたが今日は春がしっかりです。
沈丁花もいつの間にか半円が乱れて
隙間から初々しい黄緑の葉っぱが出ています。
近所の道路脇にはツクシが沢山です。
初雪草とルリ玉アザミの種を買ったので
4月になったらまこうと思っています。
初雪草の開花は今年の夏だそうで
寒さにも弱いそうです。
なんで初雪草なのかとラベルを見れば
雪化粧をしたような葉が美しく
白と緑のコントラストで盛夏を涼しげにと
書いてありました。そうか。なるほど。
ルリ玉アザミの開花は来年とのことなので
楽しみが長続きです。
先日朝から白い月を見てお昼過ぎにも見て
夜の月とは違う月です。
なのに月はひとつという事が
ちょっと信じられない気持ちになります。
本当って時々本当じゃない気がします。
この間近所で三脚を立て風景絵を描かれている
おじさんに出逢いました。
まだ空しか描かれていないキャンパスを
遠巻きに眺めていると気付かれたおじさんが
穏やかに声を掛けて下さったので
もっともっと近くで眺めることが出来ました。
絵にはその日の曇った空が描かれていて
「さっきね、ほんの一瞬だけ雲の隙間から太陽が出たの。
あの感じを描きたいの」と身ぶり手ぶりを交え
「あの雲いいと思わない?いいよねー」
と、とっても嬉しそうに空を差しお話をします。
それからあの木を描いてあそこをこうしてと
これからの絵の構想を教えて下さりその間
おじさんはずっと笑顔でもう40年以上
風景絵を描かれているとのことでしたが
絵を描く事が楽しくてしかたがないといった感じです。
4月には個展を開かれるとの事で
それも西村カメラのギャラリーとの事で
なんかもう本当にほんの小さな事なのですが
勝手に結ばれている様に感じてしまって
そういった事は特別でも何でもないのですが
それでも私には何でもあるので
やっぱり嬉しいなって感じます。
別れ際信号を渡ろうとする私に
おじさんはまた空を指差し
雲の隙間から少しだけ出て来た太陽の光を
「見て見て!あの感じを描きたいの!」
とおっしゃいました。
絵がどうなっているのか翌日早速同じ場所へ
向かいました。
その日も2時間程絵を眺めながら
お話を聞かせて頂きました。
こんな風に間近で絵が進んで行く様子を
眺めたのは初めての事です。
おじさんの風景への感じ方はきっと
ずっと前から変わる事なくあるように思いましたし
言葉ひとつにもとっても敬う心を感じましたし
そういった事を大切にされているおじさんに
また何処かでバッタリお逢い出来ればいいなと思いました。
すると何日か後に本当にバッタリお逢いしました。
近所ではあるのですが先日とは別の場所で
そこは以前にんじんのお花を教えて下さった
農家の方の畑で見晴らしが良く秋には
ピンクの夕焼けを一面に眺められ
給水塔は夕暮れと同じ色に染まる場所です。
そこでまた三脚を立て新しい絵を描くところでした。
思わず声を掛けさせて頂くと
おじさんも驚かれていました。
そしてまた絵の構想や空の色や
雲の形のお話をして下さいました。
おじさんはあの給水塔は絵の中に入れない方が
いいかな?と言いました。どう思う?と私に聞きました。
あの給水塔を夕暮れ時に
ここから眺めるのが好きな事を伝えると
おじさんはじゃあ入れようとおっしゃって下さいました。
そして完成までの数日間私は毎日その場所を訪れ
おじさんと2時間も3時間もお話をし
絵が出来上がる様子を眺めました。
その間子供から大人まで色々な方々が
絵を眼の前に立ち止まり見たままを声に出します。
時には歌を唄われる方もいました。
絵の中の菜の花と本物の菜の花の間で
菜の花畑に入り日薄れ~と唄います。
色々なお話を聞かせてくれたおじさんですが
ふいに私に質問をしました。
「愛の対義語って何だと思う?」
う~んと唸っていると
「僕は愛の対義語は愛なんじゃないかと思っているの。
愛がぐるぐる回っているの」
愛がぐるぐるか・・・す、素敵。
と私は心でつぶやく事しか出来ませんでしたが
おじさんがおっしゃりたい事にその後出逢った気がします。
ポレポレ東中野で銀杏ボーイズの「愛地獄」を観たのです。
まさに愛がぐるぐる。
ヒーロー達の愛の地獄。
頼まれてもいないのに勝手に私は
これからもとりつかれるのだろうなと思います。
何か解らないけどもっと頑張らないとなと思いました。




